2006年 05月 01日

モーツァルトの天才性

e0040531_189418.jpg皆さんもご存知かと思いますが、今年はモーツァルト生誕250年の年です。世界各地で記念イベントが競うように行われてますね。実はモーツァルト以外にも今年は、ショスタコービッチ生誕100年、シューマン没後150年、さらには日本が誇る武満徹の没後10年でもあります。とはいえモーツァルト人気にはすさまじいものがありますね。競うように記念演奏会、記念CDなどが企画・発売されていますね。

さてそのモーツァルトですが、あくまで私見ですが、私は数少ない「天才作曲家」であると思っています。偉大な作曲家はたくさんいますが、「天才」となると私はモーツァルト、ベートーヴェン、バッハの3人だけではないかなと思っています。とはいえ、その他の作曲家の作品にケチをつけているわけではありません。ブラームス、チャイコフスキー、メンデルスゾーン、マーラー、ブルックナーetc...いずれも素晴らしい作曲家ばかりで、その作品群も名曲揃いであることに疑いの余地はありません。

そんなモーツァルトの天才的なところは、彼の音楽が極めてシンプルであるにも拘わらず、誰にも真似ができない、且つ人の心を打つ音楽であるところです。それだけに演奏するのは一苦労です。つまり曲がシンプルであるが故に、自分の技術が丸裸になってしまうわけです。モーツァルトほど天真爛漫な音楽はないわけですが、それを天真爛漫に、難しい顔をせずに演奏するには完璧な技術が求められます。それだけに私ももちろんアマチュアですが、それでもモーツァルトは恐ろしくで演奏できません。上手に聴こえないんですね。。。

彼の天才的なところは他にもあります。彼の紡ぎだす音楽は変幻自在で、自分のスタイルというのが希薄です。つまりどんな曲でも作れてしまうんですね。その他の作曲家の作品は一聴すればその人の音楽であることがすぐに分かりますが、モーツァルトはまるでカメレオンです。

その代表的な例としては、後期交響曲と呼ばれる39番から41番の3作品です。完成された日付を調べると、39番が6月26日、40番が7月25日、そして41番「ジュピター」が8月10日となっています。つまり、わずか2ヶ月の間にモーツァルトは3つの交響曲を書き上げたことになります。これだけでも驚くべきことですが(単純に総譜を書くだけでも時間が足りるのかどうか・・・)スタイルも異なれば性格も全く異なるこの3曲が、それぞれに驚くほど完成度が高いと言うことす。39番の明るく流れるような音楽は他に替わるものはありませんし、40番は誰でも知っている超名曲ですし、そして最も驚くべき事は、41番「ジュピター」が精緻さとダイナミックさが融合した奇跡的な作品であることです。40番という傑作を完成させたあと、そのわずか2週間後にこのジュピターを完成させたなど、とても人間のなし得る業とは思えません。とりわけジュピターの最終楽章の複雑さを考えると、これを何のスケッチもなく、いとも簡単に完成させたわけで、それもたった2週間だったわけですから、驚きを超えてある種気味が悪いくらいです(笑)。

e0040531_1895411.jpgそんな私もこの20年近いオーケストラキャリアにあって、なんとモーツァルトの交響曲を演奏したことがありません。そんな私が所属するアマデウス・ソサイエティー管弦楽団の次回演奏会ではこの「ジュピター」をとりあげます。一区切りに意味も含めて挑戦してみようかな、という気持ちになっています。
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by flautebanker | 2006-05-01 18:12 | music


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