投資銀行家への道

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2006年 11月 24日

活況に沸くM&A市場

投資銀行は2000年のITバブル崩壊後の数年に渡る低迷から、徐々に好転してきたマーケットの恩恵を受け、ついに昨年はレコードイヤーとなりましたが、今年もその流れは堅調のようです。以前、4年周期について書きましたが、これはどうやら杞憂に終わりそうです。
(業界に身をおく者としてはほっと一息です)
私自身も今年は本当に忙しい年となりました。
というわけでブログの更新もままならず・・。

それにしても今年のM&A市場の活況には目を見張るものがあります。
今年のM&Aの規模は直近で約3.1兆ドル(約370兆円)にも達し、この最大の牽引役はプライベートエクイティファンドによるレバレッジド・バイアウト案件で、去年との比較でいくとなんと3倍もの規模となっています(Bloombergによれば、昨年の$222billionに対し。今年はすでに$616billion)。

これにはいくつかの背景が考えられます。
まずは全世界的な金余りを背景とする供給サイドの豊富な資金でしょう。ご存知の通り、今年もこれまででは考えられないような巨大な新ファンドが次々立ち上がってます。加えて昨今のLBOファンドは、従来のキャッシュフローが安定している、どちらかというとmatureな会社・業種を投資のターゲットとしていましたが、今年はそれが一変しました。案件が大型化しているのはもちろんのことですが、業種もメディアだったり、通信関連、はたまたいわゆるテック企業、それも半導体関連なども投資対象となってきています。これ以外にも欧州でのdealが急拡大していることも大きな要素の一つですし、何よりも案件の大型化をものともしない、肥沃な資本市場・バンクマーケットもこの流れをサポートする大きな要因です。
レバレッジド・ファイナンスのマーケットについては後日詳しく書いてみたいと思います。

ともすればある種のファンド・バブルではないかと見られかねない大活況ですが、それでも市場関係者の見方は強気です。このバイアウト市場の拡大はまだ2年は続くなんていう声もあります。
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翻って日本ですが、これほどの活況というところまではいかないようです。
(日本のM&A市場は、金融機関等の大型合併などで統計数値が大幅にぶれるので、マーケット自体を数字で捉えるのは非常に難しいですね)
とはいえ本日の日経の報道にもありましたが、上場企業を対象としたTOB(株式公開買付)は急増しているようです。2006年はすでに48件と件数ベースでは昨年を上回っていて、金額はなんと2.5倍の1兆5000億円に達しているとのことです。もちろん過去最高です。
ここでも投資ファンドの存在感は増すばかりで、直接関連している案件が増えているのはもちろんのこと、ファンドによる投資がきっかけとなって引き起こされた再編等も多く見られましたね。

ただ個人的には、まだまだ爆発的なブームという実感がありません。ただ今年が一つのターニングポイントになるような予感はします。来年、もしくは再来年あたりに大きな飛躍があるのではないでしょうか(個人的な希望的観測もありますが。。)
三角合併等をイシューとするM&A関連の法制整備は最終段階にありますが、この大きな流れに冷や水を浴びせるようなことにならないといいのですが。
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by flautebanker | 2006-11-24 01:27 | business


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