2005年 08月 02日
一般的に投資銀行という言葉は知られているようで、実はその実態を知る人は少ないし、かくいう自分も何が「投資銀行」なのかはよく分かっていないのかもしれない。 それにしても自分が働いている業界の何たるかを知らないというのもいかがなものか。。。 一般的には株式、債券の引き受けを主業務とし、それに付随する企業の財務に関するアドバイスを行う、ということなんでしょうね。これをプライマリー業務とすれば、セカンダリー、いわゆる流通市場関連業務もある。 でも正直これだけで食っていける時代ではないですよね。 扱う商品もこれまでの債券、株式に留まらず、ハイブリッド型のプロダクト(今、欧州では大流行中で、投資銀行の大きな収益源になってます)や、いわゆる商品市場関連(すごいですよね、小麦とかトウモロコシを買ったり売ったりしてるんですもん)、そして日本でもお馴染みのプリンシパル投資業務。要は手金の投資。 一般的にはこっちの方が「投資」銀行っぽいんでしょうね。 対象は不良債権、不動産に始まり、最近は会社、事業等。もうなんでもありです。 よく投資銀行は斜陽産業だといわれます。 その根拠は、これまでは資本市場へのアクセスを既得権益とし、寡占マーケットの中で、超過利益を享受していたに過ぎず、今後は債券取引の電子化だったり、いわゆる仲介業者-intermediary agent-は淘汰されていく、といった感じでしょうか。 そうかな、とも思えなくもないのですが、金融はやはり人材。 もちろんマーケット情勢、規制緩和、色々外部環境の変化はあるんでしょうけど、それに対応していけるだけの、知恵と行動力があるかでしょう。それは偏に優秀な人材がいるかどうかです。 一時期「商社冬の時代」とかなんとか、商社が淘汰される業種の急先鋒みたいな論調で語られる時期がありました。でも結果は、、見事に復活しています。 もちろん原油高とか一部追い風もあるんでしょうけど、大胆なリストラ、事業の再検証、ありとあらゆる手立てをとことんやり尽くした商社は、まさに敵なしといった状況です。その手法、行動力、すべては優秀な社員によるものでしょう。 投資銀行も負けず劣らず優秀な人材が揃っていると思います。 もちろん全員が全員スーパーマンではないですが、少なくとも日本の金融機関にはない行動力は持ち合わせているし(迅速なリストラ??)、常に新しいビジネスを追い求めていく姿勢は本当に自分自身、刺激を受けることが多いですね。 過去数十年に渡って変容を繰り返して生きてきた投資銀行、これからも様々な形にそのその姿を変えながら、生き延びていくんでしょうね。
by flautebanker
| 2005-08-02 14:52
| investment bank
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アバウト
20代後半に日本の金融機関から外資系投資銀行へ転職。毎日悪戦苦闘しながらディールを追っかけていく日常を徒然なるままに。一流の金融マンへの道は遠く険しい。。。 by flautebanker カレンダー
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